社員のモチベーションを左右する!部下の評価を行う基準と注意点

2019年06月03日

部下の評価は、内容や伝え方によって社員のモチベーションを左右する重要な仕事です。
しかしながら、部下をどう評価すればいいのかわからないという悩みを抱える役職者や経営者も多いのではないでしょうか。
今回は、部下の評価を行う基準の例と、評価にあたっての注意点について解説していきます。

■おさえておきたい「部下の評価基準」の3本柱

部下の評価基準は以下の3つの評価カテゴリーに分けられます。

  1. 成果評価
  2. 意欲評価(情意評価)
  3. 能力評価

それぞれのポイントをおさえながら以下にご紹介していきます。

1.目に見える行動実績で評価する「成果評価」

部下の評価基準「成果評価」
1:業績目標達成度

業務目標達成度は成果評価のひとつであり、設定目標に対する達成度のことです。
分かりやすいところでいうと、営業の場合は売り上げ金額や契約件数が挙げられます。

この評価基準は数値化されるものが多く、評価する側にとってそれほど難しい基準ではありません。
目標数値に対してどれだけ近づけたか、もしくは目標数値を超えることができたかが評価基準となるため、比較的容易に評価を決めることができるという特徴があります。

一方、その設定目標が適切であるか否かという問題にも目を向けなければなりません。
目標を高く持つのは悪いことではありませんが、マーケット的な観点から到底無理だと判断されるような目標は適切とはいえないでしょう。

また「目標は高ければ高いほどいい」という考え方は、部下に精神的、肉体的な負担を強いることにもなり、危険です。
反対に、あまりにも達成が容易である目標は、達成することが目的の目標設定となってしまい、部下のモチベーションを下げてしまう可能性もあります。

業績目標達成度は、設定目標が適切であることが前提の評価基準であることを忘れてはいけません。

部下の評価基準「成果評価」
2:課題目標達成度

課題目標達成度は成果評価のひとつであり、課題目標に対する達成度のことです。
業績目標を達成するためには、そのために必要な課題を設けることが必要不可欠であり、その課題に対する評価も必要になります。

具体的には「その目標を達成するために何をしたか」ということが評価基準となり、場合によっては資格取得なども含まれます。
たとえば「10件の契約をとるためには専門的な知識が必要なので資格を取得する」などです。
この場合、資格取得ができたか否かが課題目標達成度として評価されます。

課題目標は一般的に、達成することが最終目的ではありません。
あくまでも業績目標を達成するための過程であり、評価者としては結果よりもプロセスに対する評価を行うことになります。
そのため、部下が掲げる課題目標が業績目標達成のためのプロセスとして適切であるかをある程度判断することも大切です。

新入社員などの育成においては、日常基本業務を行えるようになることも課題目標達成度の評価基準となるでしょう。

2.結果だけでなく複合的な行動も評価する「能力評価」

部下の評価基準「能力評価」
1:企画立案や計画能力

企画立案や計画能力は能力評価のひとつであり、目標達成に向けて手段や方法が立案できたかどうかが評価基準となります。

たとえば、ある部下が「新規の顧客が少なくなっているからイベントを開催して集客し、10件の契約に結びつけよう」という企画を立案したとします。
この段階では企画立案はできていますが、計画能力間では判断できません。

イベントを成功させるためには綿密な計画が必要不可欠です。
そこで、イベント開催に向けての計画を立てていきます。

基本的には「多くの新規客を集め、10件の契約を獲得し、イベントは成功だった」となれば、この部下の企画立案や計画能力は高く評価されます。
しかし、実際にはその計画にはかなり無理があり、さまざまな代償を払っていたとなれば評価は変わってくるでしょう。
寝る間も惜しんで準備をしたのであれば、部下個人の労務管理能力が低いと判断されても仕方ありません。

企画立案や計画能力を評価基準とする際には、結果論だけではなく中身も重視することが大切です。

部下の評価基準「能力評価」
2:実行能力

実行能力は能力評価のひとつであり、計画に対して実行できていたかどうかを評価します。

どんなに立派な計画も実行に移さなければ意味をなしません。
まずは、計画にそって実行に移すことが重要です。

計画には、集客数や契約数などの具体的な数値があってしかるべきであり、その目標に向けて積極的に動いたかどうかも実行能力の評価基準となります。
また、ただ実行するだけではなく、自己啓発を行いながら活動できていたかも評価基準として認識しておくといいでしょう。

一方、一般社員にとって計画の実行は上司の許可なくしてできるものではないことも認識しておかなければなりません。
たとえば、提出された企画立案や計画に対して上司の判断が遅れ、日にちが近づいてから許可を出したとしても部下は計画を実行に移せずじまいになってしまう可能性もあります。
実行能力を評価する際には、その計画を実行できる環境が整っていることが前提であり、評価者を含めて環境を整える努力が必要であると心得ておきましょう。

部下の評価基準「能力評価」
3:改善能力

改善能力は能力評価のひとつであり、改善点の提案など、現状を変えるための努力や積極性を評価します。
仕事は、現状がパーフェクトということはまずありません。
どのような業種においても、日々進歩が望まれますし、必要な改善は積極的に行っていく必要があります

業務を行っていれば多かれ少なかれ問題は発生し、経験値が高くなってくるにつれて、発生しそうな問題を予測することも可能になるでしょう。
日々の業務のなかでこのような問題を見出し、改善点を提案することは高い改善能力があることの証でもあります。
現状維持を望む人にとっては煩わしいと感じるような提案でも、その後の業務にプラスとなる提案は正当に評価されるべきでしょう。

改善能力の評価は「言われたことを言われたとおりにやっていればいい」という認識を払しょくすることが大切です。
場合によっては企業生命を揺るがしかねない重大なミスを事前に防ぐことにもつながるため、しっかりと評価項目の一つとして注視したい項目です。

部下の評価基準「能力評価」
4:イレギュラー対応能力

イレギュラー対応能力は、予想外の案件に対して逃げずに立ち向かうことができたかを評価します。

仕事は、マニュアル通りに行っていれば必ず遂行できるというものではありません。
イレギュラーが起きることは免れず、その都度、的確な処理が必要になります。

もちろん、頭の回転が速い人であれば、即座にどのように処理すればいいかひらめくでしょう。
しかし、企業におけるイレギュラー対応能力とは、個人の判断能力ではなく「正しい判断をして対処する」ことにあります。

正しい判断とは、上司の許可が必要な場合は指示をあおぐ、関係者など周囲とうまく連携を取るなどです。
勝手な判断は状況をより混乱させてしまうことにもなりかねません。
何が起きても慌てふためくことなく、適切な判断を仰ぎ対処することが求められます。

イレギュラー対応能力を評価基準とする際には、正しい判断ができること、処理速度が速いことを評価するといいでしょう。

3.部下のモチベーション向上と会社の雰囲気に大きな影響を与える「意欲評価・情感評価」

部下の評価基準「意欲評価・情感評価」
1:積極性

積極性は意欲評価のひとつであり、指示以外に自分で積極的に課題を探して取り組むことができたかを評価します。

初めのうちは指示に従って動くほかなかった社員でも、ある程度経験を積んでくると、自ら課題を課すことが求められるようになります。
みんなが一様にルーチンワークをこなすだけでは、チームとしての成長は望めません。
チームが成果を出すためには、誰もが新しいことや経験のないことにも挑戦し、仕事にやりがいを見出すことが重要になります。

一方、リーダーからの指示命令系統で動くことが定着している環境では、部下が積極性を見せること自体が少ない傾向があります。
しかし、そのような環境では、積極的に仕事に取り組む人材は育ちません。
まずはリーダー自身が自らの指示命令のみで部下を動かすやり方を改める必要も出てくるでしょう。

積極性を評価基準として設けることは、指示されたことを指示された通りにやるだけでは、今以上の評価がもらえないことを部下自身に認識させることにもつながります。
結果として部下の仕事へのモチベーションを高めることができるでしょう。

部下の評価基準「意欲評価・情感評価」
2:協調性

協調性は意欲評価のひとつであり、同僚や後輩との連携が必要なときにコミュニケーションを取りながら協力をあおぐことができたか評価します。

どのような仕事でも、初めから終わりまで一貫してひとりでやり遂げられるケースは極めて稀です。
ほとんどの仕事は、自分以外の人間とコミュニケーションを取ることが必要であり、ときには協力し合って成果を出していく性質を持っています
まずは、そのことを部下自身が理解しているかを見極めましょう。

部下自身が「仕事はひとりではできない」ということを認識していれば、おのずと協調性が育まれていきます。
周囲に困っている者がいた場合は、自ら進んでサポートすることができたかどうかも評価項目とすれば、相互扶助の精神も養うことができるでしょう。

間違ってはいけないのが、自己主張しないことを協調性があると判断してしまうことです。
人と合わせることと協調性があることは別物です。

ビジネスにおける協調性とは、目標を共有し、それに向けてお互いの得意分野を持ち寄り、協力できるかということにほかなりません。
自己主張が強いから協調性がないと判断することのないよう気をつけましょう。

部下の評価基準「意欲評価・情感評価」
3:責任性

責任性は意欲評価のひとつであり、業務を最後まで遂行できたかどうかを評価します。

仕事においてもっとも重要なものは責任感です。
どんなに仕事の要領がよくても責任感がなければ何の意味もなしません。

たとえば、営業で受注実績がとてもよい社員がいたとします。
しかし、その社員は契約こそ取るもののまったくと言っていいほどアフターフォローを行いません。
それでも会社の看板のもとでの契約ですから、他の社員がアフターフォローに回り、何とか既存の顧客を維持しています。
このような状況が決して好ましいとはいえないことは明白です。

この場合、その社員の業績目標達成度は高い評価となっても、責任性の評価を高くすることはできません。
むしろ、責任性の評価を適切に行うことによって、その社員にも責任感を養ってもらう必要があるでしょう。

また、自分が担当する業務において突発的な問題が起こった場合も、責任を放棄することなく対処できたかどうかも重要な評価項目になります。
責任性の影響は近々の業績には現れないものの、中長期的に見れば重要な要素であると認識しましょう。

■評価エラーは部下のモチベーション低下にもつながる!

前述のような観点で評価していくことが、まずは部下評価の基本ですが、
ここからは部下評価の際に陥りやすい問題をご紹介します。

部下の評価における一番の問題点は、人間が人間を評価することにあります。

これは、ごく当たり前のことのように思えるかもしれませんが、人間は誰しも完璧ではありません。
だからこそ、ときとしてエラーを起こしてしまいます。
何らかの理由により、部下の評価を適切に行えないことを評価エラーといいます。

たとえば、ある社員が「前の上司の元ではいい評価をもらっていたのに、今の上司は自分の仕事を評価してくれない」と感じていたとします。
同一人物のやる仕事ですから、内容や質には大きな違いはありません。
にもかかわらず、評価が異なるのは評価者によって評価基準が異なるからにほかならないのです。

このように、評価する人によってばらつきが出てしまうことは、部下にとって好ましい状況ではありません

部下の評価は、評価者の力量によるところが大きく、正しい判断ができているか常に考えながら行う必要があります。

評価エラーにより公平な評価ができていない場合、社員には不満が生まれ、モチベーションの低下は免れません。
結果として、企業の業績に影響してしまう可能性さえあります。 評価者は、評価エラーは重大な問題であることを強く認識しておく必要があるといえるでしょう。

■部下を評価するうえで注意したい評価エラーとは

ここから具体的な評価エラーのタイプを、具体例とともにご紹介していきます。

評価エラーの具体例「一つの印象にとらわれて評価していませんか?」
1:ハロー効果

ハロー効果は、目立つ特徴や、何か1つ良い印象があると全体をそのイメージで評価してしまうことです。

たとえば、自分に対しての挨拶が気持ちよく、良い印象を持った部下がいたとします。
すると、たとえその部下の業績が悪くても、挨拶がすばらしいという印象が先行してしまい、評価が甘くなってしまいます。

もちろん、挨拶がしっかりできるということは社会人として望ましい姿です。
一方、業績が悪いことは紛れもない事実であり、挨拶でごまかせるものではありません。

反対に、何か悪い点があると、すべて悪い評価をしてしまうこともハロー効果に含まれます。
悪い点が、飲酒運転をしたなどの明白なものであれば、それまでどんなにいい業績を残していても評価が下がってしかるべきです。
しかし、評価者が個人的に「こういう点が気に入らない」といったレベルで評価を下げてしまえば、不当な評価となってしまいます。

ハロー効果による評価エラーを防ぐには「それはそれ、これはこれ」といった、個人的な感情に流されない割り切りが必要です。

評価エラーの具体例「ついつい甘い評価をしていませんか?」
2:寛大化傾向

寛大化傾向は、事実にもとづいた正しい評価をせず、甘い評価をしてしまうことです。

たとえば、個人的に仲がよい部下がいたとします。
その部下は、自分の仕事にも積極的に協力してくれるため、他の部下と比較して重宝しています。
評価者からすると「失いたくない部下」です。
そのため、その部下の業績が思わしくなくても、嫌われたくないがために評価をよくしてしまいます。

これは、他の部下からすれば紛れもない「ひいき」であり、決して気分のいいものではありません。
結果として、当該部下も居心地の悪い環境を作ってしまうことになるでしょう。

なかには、他のチームとの競争意識から自らのチームメンバー全員の評価をよくしてしまう寛大化傾向もあります。

この場合、チームの中に不満が生まれることは少なく、誰も評価に対する問題点を指摘する者もいません。
すると、問題が表面化するまでに時間がかかり、表面化したときには手の打ちようがない事態になっていることも多いのです。

寛大化傾向による評価エラーは、部下のみならず評価者自身の目も曇らせてしまいます。

評価エラーの具体例「出る杭を作らない、無難な評価になっていませんか?」
3:中心化傾向

中心化傾向は、できるだけ差をつけないように、標準的な評価にしてしまうことです。

自分が下す評価に自信がない評価者が行ってしまう傾向が強く、部下は全員、無難な評価でまとめられてしまいます。
また、人間関係を気にして、問題のない評価をするケースも少なくありません。

しかし実際には、有能な社員は自分よりも業績が悪い社員と同じ評価であることに納得がいかず、外部に流出してしまう可能性が高くなります。
反対に、標準的な評価に満たない業績の社員にとっては居心地がよく、成長しないまま勤務を続けることになるでしょう。
結果としてチームの力は弱くなり、それ以上の成長は見込めなくなります。

従来、日本では比較的、誰かが突出することよりも全員が同じラインに立つ横並びをよしとする考え方が強い傾向がありました。
しかし、現代の競争社会においては、個人の長所を伸ばして切磋琢磨することが求められます

下手に気を使って中心化傾向の評価をすることは正当な評価を得られないストレスを生み、むしろ人間関係を悪くしてしまうことにもなりかねません。
この評価エラーを防ぐためには、ひとりひとりの役割を重視する考え方へとシフトすることが大切です。

評価エラーの具体例「自分が評価の基準になっていませんか?」
4:対比誤差

対比誤差は、評価者である自分を基準に評価することです。

「自分が新入社員の頃は」「自分が係長のときは」「自分ならできるのに」という評価基準となり、必然的に評価者とタイプが同じ部下の評価は高くなります
一方、評価者とタイプが異なる部下の場合は低い評価になりがちなので注意が必要です。
もっとも、対比誤差による評価は評価者の価値観や常識だけで評価しているため、間違った評価基準であると言わざるを得ません。

人は誰しも自分の人生を肯定したいものです。評価者が自分の軌跡をたどっているような部下を好ましく思うのはごく自然な感情といえるでしょう。
しかし、時代は刻々と変化しており、当時は評価されたことでも現在では評価に値しないという事例も少なくないのです。

感情に流されず、あくまでも明確な評価基準に従うことが大切です。
対比誤差による評価を続けていると、徐々に部下は他の評価者には評価されない仕事をするようになってしまいます。
それは部下にとってもマイナスであることは言うまでもありません。

部下の評価はあくまでも自分の職務であることをしっかりと認識しましょう。

評価エラーの具体例「ひとつの事柄でその人の全てを判断していませんか?」
5:論理的誤差

論理的誤差は、ひとつひとつの項目を評価するのではなく、ひとつの項目ができていることで、複数の項目を結びつけて評価してしまうことです。

「優秀な人は何をさせても優秀だ」という優等生評価を一度得てしまえば、細かな評価項目は無視されるため、部下自身が自分を客観視できなくなってしまいます。
これは「算数ができる人は体育もできるだろう」といっているのと同じことであり、論理的な誤差が生じてしまいます。
本来であれば「算数ができても体育はどうだろう」と項目別に評価する必要があるにもかかわらず、その作業を怠った結果、正当な評価ができなくなります。

「資格を持っているから正しい判断力もあるだろう」という論理も、一見まともに見えますが実際にはそうでもありません。
「ファイナンシャルプランナーの資格を持っているのだからお金持ちだろう」といっているのと変わらず、この論理には無理があると言わざるを得ません。

論理的誤差による評価エラーは、項目を結びつけずに単独で考えることで防げます。
人を評価するという業務に真剣に向き合い、作業を怠らないことが大切です。

評価エラーの具体例「イメージに振り回されて評価していませんか?」
6:イメージ考課

イメージ考課は、実際の行動や業績など事実に基づいた評価ではなく、イメージや先入観で評価してしまうことです。

たとえば、優良企業からの転職者というだけで仕事ができると思い込み、高い評価をするなどが挙げられます。
人が掲げる看板で仕事の評価をしてしまうため、その評価は根拠のないものとなってしまうのです。

人が自分自身に掲げる看板は自己PRという形で見ることができます。
「事務処理のエキスパート」「接遇マスター」などが看板であれば、それは仕事を評価する判断材料になるでしょう。

一方、前職の会社名は仕事を評価する判断材料にはなり得ません
そこで何をしていて、そこでの経験を生かして何ができるかといった内容が皆無だからです。
それでも勝手なイメージで「なんとなくいい気がする」というレベルの評価をしてしまいます。
これは、他の部下に悪い印象を与えるだけでなく、当該部下にも「あそこにいたのだから、これくらいできるだろう」という余計なプレッシャーを与えることにもなりかねません。

人が掲げている看板が何を意味しているか、考えることが大切です。

評価エラーの具体例「評価日直近の出来事だけで、その期間の評価をしていませんか?」
7:期末効果

期末効果は、評価対象期間全体を見るのではなく、直近のできごとだけで評価してしまうことです。

たとえば、評価対象期間の前半によい業績を上げていた部下がいるとします。
しかし、評価が決定する期末直前に同僚と衝突し、孤立しました。
そのことが原因で、期間の評価が「協調性がない」となり、下がってしまいました。

この場合は、同僚との衝突はあくまでも期間内における一時的なものであり、前半によい業績を上げていたことには変わりなく、業績に対しては正当な評価を与えられるべきです。

反対に、前半の業績は悪かったけれど、期末間近に大きな契約を1件獲得したから評価を高くすることも期末効果による評価エラーといえるでしょう。

これらのケースは、評価者に余裕がない場合に多く見受けられます

評価者自身が自らの業務をコントロールできないため、日々の業務に追われ、部下の評価にまで神経が回らないといった場合です。
すると、どうしても視野が狭くなり、直近のできごとだけにしか目を向けられなくなってしまいます

評価者は適切な部下の評価ができるよう、日頃から自分のスケジュールを調整することも求められるでしょう。

■「評価結果」をどう部下に伝えるかが実は非常に重要!

さて、ここまでで、基本的な評価の指針となる項目や、評価の際に陥りやすい問題点などを紹介してきました。

それらをクリアにして、正しい評価ができたときに、部下にその評価をどう伝えるか。

実はこれも、非常に重要なポイントです。

■同じ内容でも伝え方で大きく違う!
 部下のモチベーションをあげるコメントの書き方・伝え方

部下のモチベーションを上げるためには、日頃から十分なコミュニケーションを取ることが必要不可欠です。
一方、評価を行う際のコメントの書き方やフィードバックの方法が、部下のモチベーションに影響することも忘れてはなりません。

たとえば、上司からのコメントに「業績が上がっているとはいえ、顧客からのクレームも見られたのは感心できない」と書かれていたらどうでしょうか。
文章の後半に書かれているマイナスポイントが主軸である印象が強いと感じ、やる気を損なってしまいます。

一方、「顧客からのクレームも見られたが、業績は順調に伸びを見せたことは高く評価できる。今後は顧客の要望にどう応えるかも視野に入れ、さらに頑張ってくれることを期待している」というコメントでは、プラスのポイントが主軸となっています。
言っていることは同じなのに文章によってこんなにも印象が異なるのです。

コメントの書き方は、反省点やマイナス点は先にあげ、後半で褒めるほうがモチベーションをあげやすいといえるでしょう。

また「全体的によくなっている」など抽象的な表現も避け「セールストークが上手になってきている」「目標を120%達成できたことは高く評価できる」など具体的に書くのも有効です。
数字を用いると客観性が強くなるので、部下自身も納得しやすいでしょう。

フィードバックを行う際には、上からのダメ出しにならないよう気をつけます。

  1. 部下自身が評価できる自分の行動を聞き出す
  2. 行動の中で感じた問題点や改善点を一緒に探っていく
  3. 次の期間の行動に活かせるアドバイスをする

というステップでフィードバックを行うことで、部下のモチベーションは飛躍的に向上するでしょう。

■正しい評価で部下のモチベーションアップにつなげよう

部下が高いモチベーションを維持し、業績を上げられるかは評価者の正しい評価にかかっていると言っても過言ではありません。
部下の評価は主観や偏りがないよう、正しく行うことが大切です。

さらに、コメントやフィードバックの内容が部下を勇気づけ、部下との信頼関係を強くするきっかけになることも多くあります。
リーダーの責務として、本コラムでご紹介した内容を活かして、ぜひ部下のモチベーションアップが図れる評価を実践してください。

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