2019年の新入社員の傾向と指導ポイントについて

2019年05月21日

2019年度の新入社員の入社から約2か月。
OJTトレーニング期間から少しずつ、一社員として、成長を見られる時期かと思います。
その反面、長いゴールデンウィークを挟んで、新入社員のモチベーションが上がらない、指導・育成にあたってなかなか思うようにいかないという状況に置かれている企業様も多いのではないでしょうか?

今回は、弊社が実施した2019キャプラ新入社員研修を通じて、

  • 「指導した講師」からの客観的な傾向
  • 「受講した新入社員」からの主観的な仕事観

を合わせてみることで、今年の新入社員の傾向を紐解いていきたいと思います。

■2019年、今年の新入社員の傾向とは?~講師が感じた今年の新入社員の傾向~

今年も、ベテランの講師陣がクラスを受け持ち、座学だけではなく、グループワークやレポート提出など、新入社員一人一人の様子を確認しながら研修を終えました。

そのうち、一般コースにご参加いただいた88社233人の受講の様子を、昨年の「素直さ」「積極性」「規律性」「主体性」「協調性」「理解力・実践力」「関係構築力」の7つの観点で5点満点で評価しました。
同様の評価を行った昨年の数値と研修中の様子を照らし合わせながら、「今年の新入社員の傾向」を分析しています。

上のグラフを見ると、昨年度と比較して、全ての項目でポイントが下がっていることがわかります

その中でも、特に行動とポイントで特徴が見られた「積極性」「主体性」「理解力・実践力」について着目しました。

■「人と違うのは恥ずかしい」「間違うことは恥ずかしい」 画一化を好む新入社員

研修の合間に見て取れた「積極性」「主体性」をポイントを下げている具体的な行動としては、

  • 自分の考えや意見を述べることを抵抗する
  • 積極的に挙手や発表をしない
  • 人前で質問をしない(休憩時間中に個別に質問をする)

などの行動です。

つまり、良くも悪くも、「間違えることや人と違う意見を述べるという目立つことを嫌う」傾向がみられます。

中には、積極的に意見を発表する受講者もいましたが、各クラスの特定の層の行動に限られました。
質問などがある場合にも、全員が聞いている中で質問を行うのではなく、休憩中に個別に質問をするなどの傾向が高く、全体の傾向としては積極性・主体性が低いと言えるでしょう。

■「理解」はできるけど「表現」が苦手 時代背景にも影響される新入社員

また「理解力・実践力」について見られた行動として、

  • レポートや文章を書く場面において、考えを自分の言葉で表現することに抵抗を示す
  • 文章を作成する際の語彙力や表現力が乏しい

などがあげられました。

研修の中で、特に、意見を伝えたりレポートを作成するなどのアウトプットをする場面において、その傾向がみられました。

つまり、頭では理解できていても、すぐに行動に移す、また言語化することが不得手であるとも言い換えることができます。
これには、時代背景も大きな要因であると考えられます。

スマートフォンが広がりSNSでのやり取りが中心となった現代、「短文でのコミュニケーションが多く、長文を書く機会が少ない」「一つの漢字から候補となる単語を選ぶという文字変換を使うことで語彙力が育たない」という状況が推察されます。

いずれにしても、会社員として「考えを言語化するというアウトプットが求められる」ような状況下で、語彙力や表現力の乏しさが課題となるケースが想定されます。

■2019新入社員自身が抱く「仕事観」

これまで、講師が新入社員の様子を客観的に分析した結果から「2019年の新入社員」を客観的に見てきましたが
ここから、新入社員自身に聞いた「仕事観」を参考に、深掘りしていきたいと思います。

以下に紹介するのは2019年新入社員研修に参加した502人を対象に行った、就職活動や仕事観に対する意識調査の結果です。

■ワークバランスを重視した堅実なワークスタイル

ここで着目したいのは、設問【2】【11】【15】の結果です。

職場環境や人間関係について調査をした項目ですが、「人間関係」を重視し「職場コミュニケーションを密にとりたい」という結果がでています。

その他の結果からもわかるように、「仕事において何かを一人で成し遂げる」ことよりも、「周りと協力をしながら、またプライベートの時間も重視しながら、コツコツと仕事を極めていきたい」という希望が強いという傾向がみられます。

このような意識傾向を基に、今後の指導・育成方法を検討することが非常に重要であり、その結果が、早期離職防止に繋がるともいえるでしょう。

■新入社員の離職を防ぐ ~今後の指導育成のポイント~

ここまで2019年新入社員の傾向と意識についてお伝えをしてきました。
これらを踏まえ、今後どのような指導・育成が求められるか、解説をしていきます。

まず、大前提として新入社員へ教育する内容は業務だけではないということです。

仕事を好きになり、所属するチームや組織を好きになることが重要です。
育てているのは、感情をもった人間であり、価値観も様々です。
まずは、今後の人生の大半の時間を過ごすこととなる「職場を好きになってもらい、職場へくることが楽しいと思ってもらう」というステップが重要ではないかと考えます。

そのためには、指導にあたる上司や先輩方が、新入社員に「想い」をもって接し、尊重することが大切になります。

■「とりあえずやってみて」はもう古い?ステップに合わせたOJT

次に、職場に配属された後に実施するOJT教育についても、以下のような「OJT教育・基本の6つのステップ」を理解し、実践することが効果的です。

「OJTの基本ステップ」

  1. 仕事の目的・意味を伝える
  2. 業務内容を説明する
  3. やってみせる
  4. やらせてみる(経験させる)
  5. 進捗確認と結果に対するフィードバックをする
  6. 一人でできるか確認する

新入社員に対して、上記の【01】から【06】のステップを順序立てずに、「とりあえずやってみて」という【02】【04】のステップだけで業務指示をだしている方、少なくないのではないでしょうか。
前述のとおり、近年の新入社員の傾向を鑑みると、基本ステップを無視した指導方法では、新入社員の指導・育成に苦戦することが容易に想像できます。

■一方的な指導ではなく、求められる指導者の「傾聴力」

6つの基本ステップの中でも、特に大切になってくるのが、【01】仕事の目的・意味を伝える 【05】進捗確認と結果に対するフィードバック です。

まず、【01】仕事の目的・意味を伝える について、新入社員がこれから携わる仕事に、どのような仕事の意味があるのか、その価値や目的を説明することが、新入社員のモチベーションに関わる非常に重要なポイントです。
意味を知ることで、会社への貢献感や自身の存在価値を実感し、モチベーション向上にもつながります

そして、2つ目の大切なポイント【05】進捗確認と結果に対するフィードバックについて。
フィードバックは結果が「うまくできた」「うまくできなかった」いずれの場合においても、行うことが望ましいとされています。
どちらの場合も、その背景や原因を一緒に考える時間をとることが必要です。
結果を言語化しアウトプットすることで、理解が深まり再現性が高まります
同じ業務の再現性を高めるポイントはこのフィードバックにあるといっても、過言ではありません。

ただし、「なぜそんなことしたの?」と結果を指摘する、もっと言えば追及するような関わりは、好ましくありません。

選択した手順や結果について、「そこに至った背景」や、「どのような考えで選択したのか」など、新入社員の考えや思考特性を見極めながら話に耳を傾け確認するという、傾聴の姿勢が上司や指導者には求められます
とても回りくどいやり方に感じられるかもしれません。
また、「自分はそんな丁寧に育ててもらってない」とお感じになられる方も少なくないでしょう。

ですが、このような関わり方は新入社員を問わず、今後非常に重要になってくると考えています。

私たちは今後ますます「多様な価値観」を受け入れながら仕事を進めていく時代を迎えます。
そのような時代に、一律の指導法や関わり方ではなく、その方一人一人の考え方価値観を知ろうとする、受け止めるという姿勢や指導法は企業・組織の活性化のためにも必要となると考えています。

まず、今回の調査結果を新入社員の育成にお役立ていただき、今後の貴社の人材育成や育成体制の検討にご活用ください。

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