なぜ今女性活躍なのか?女性活躍から考える企業のあるべき姿

2019年06月18日

■世界からみても低い、日本の女性活躍指数

突然ですが、日本の男女平等は世界と比べてどの程度かご存知でしょうか?
なんとなく、まだまだ低いのだろう・・・と感じている方も多いはずです。

世界経済フォーラムによる男女格差の度合いを示す「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」というものがあります。
この指数は女性の地位を【経済・教育・政治・健康】の4分野で分析し、ランキングしています。

この調査から日本の男女平等はどの程度なのか、見てみると、調査対象となった149か国のうち、日本は110位(2018年版)という順位でした。
これは、G7の中では最下位という結果です。

内訳をみると、男女の賃金格差や女性の労働参加率は改善しているものの、政治分野について、例えば女性の国会議員の男女比や閣僚の比率が低く、この分野については125位という低い結果となっています。
政治分野への女性の参加率という視点ではありますが、このような結果から、女性の管理的地位に就く割合は世界と比べてもまだまだ低く、国際競争力も決して高くはないと言わざるを得ないでしょう。
(出典:内閣府男女共同参画局 http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2018/201901/201901_04.html

■「女性活躍」が求められる「今」の現状

そもそも、なぜ「女性活躍」がここまで「今」注目を浴びるのか、主な要因として考えられるものを、ここで紹介したいと思います。

1.労働人口としての求められる女性の活躍

まず、大きなきっかけは労働人口の減少です。
日本は少子高齢化に伴い、労働者不足が予想され労働力として、女性の潜在能力の活用が求められました。
さらに「一億総活躍社会の実現」という与党のスローガンの通り、女性や高齢者などの活躍がこれまで以上に求められています。

2.結婚・出産などによる継続就業が受け入れられるようになった現状

これまで女性が働き始めても、結婚・出産ののちに継続就業ができなくなる、いわゆるM字カーブが問題となっていました。
継続就業ができず、そのまま家庭に入るというケースが多くあったのです。
このように、女性が継続就業できないということは、日本経済に大きなインパクトがありました。

そこで時代とともに、そのカーブを解消することで、徐々に女性の就業率が向上しました。
現在では、継続的な社会進出が今では決して珍しくないこととして、受け入れられており、企業としてもそのような状況を受け入れることが求められています。

3.先進国に大きく遅れをとっている女性活躍指数

さらに、多様化が求められる現代において、冒頭ご紹介したような「国際社会の中で、著しく女性活躍の割合が低い国」という点を問題視する声が高まっていました。
そこで、2015年9月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(通称:女性活躍推進法)」が施行され、与党が掲げる「すべての女性が輝く社会づくり」を、現実的に推し進めるための法制定が整備されました。
そして、企業へのその貢献が求められています。

ここで少し法律についての説明を加えておきます。
女性活躍推進法という法律の存在はご存知の方も多いと思います。
正式には、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といい、平成27年に成立しています。
この法律の概要は

自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性の個性と能力が十分に発揮されることが一層重要。
このため、以下を基本原則として、女性の職業生活における活躍を推進し、豊かで活力ある社会の実現を図る。

  • 女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供及びその活用と、性別による固定的役割分担等を反映した職場慣行が及ぼす影響への配慮が行われること
  • 職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備により、職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立を可能にすること
  • 女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきこと

 以上のことが、明記されています。

(出典:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000095826.pdf

このような概要をもとに、女性管理職の比率を高める取り組みが、日本全国で行われているのです。

■女性管理職を増やせば解決するのか?

では、「女性の管理職」を増やすことが「女性の活躍」につながるのでしょうか?
私は必ずしもそうではないと思っています。
 

「女性の活躍」のために「女性の管理職」の比率向上すること本来の目的ではなく、手段の一つだと思っています。
ただ、いたずらに女性管理職を増やすべきでもないと考えています。

■重要なのは「変化を受け入れる」ことができる企業風土

女性活躍は1つのきっかけであり、本来は、「女性が活躍できる職場(組織)づくり」がポイントです。

どういうことかというと、女性管理職という「今までいなかった存在を受け入れる企業風土」が、今後の不確実な社会では企業競争力有無の指標にもなると考えるからです。
女性を管理職に登用するという、企業としての今までにない考え方や価値観。
さらに、家庭をもつことによる就労時間への配慮などの物理的制限など、さまざまな場面で「周囲が受け入れる」ために変化を求められます。

このように、「変化を受け入れる」ことができる企業風土が培われ、結果的に多様な価値を受け入れることができる、競争力の高い企業になりえると考えています。

つまり、そのような状況が整わない中では、「女性の管理職」の誕生どころか、「女性が活躍できる職場」とも呼べない状況となってしまいます。
柔軟な企業風土の中で、女性だけでなく男性も含め、それぞれが活躍できる風土が生まれ、結果として女性管理職が増えると考えます。

■「女性を管理職に就ける」ことが目的になっていないか

では企業風土として前述のような環境が整っていれば、すぐに女性管理職の数が増えるのでしょうか?
私はそうは思いません。

女性だけでなく男性も含め、「管理職」は大きな影響力を持っています。
そして「管理職としての準備なく管理職になる」ことは、良い影響があるとは考えられません

「管理職」を任命する際、会社側からすれば当然素養を見抜き期待して登用をするでしょう。
また拝命する側もその期待に応えたいという思いで、引き受けているはずです。
でも、その期待に応えるための準備をどれだけできているでしょうか?

筆者個人の意見にはなりますが「管理職」は今までの業務の延長でやるべきではないと考えます。
つまり「チャレンジする」など意欲や意識のみで取り組む役割ではないと考えます。

役職をもつということは、少なくとも権威が生まれます。
部下を評価するという権限も与えられます。
自分が思っている以上に、周りに与える影響は大きくなるものです。

そのような役職であるという認識と、当然マネジメントをするわけなので、一定の管理能力も求められます。
評価や人材育成に関する知識やスキルも必要となるでしょう。

これらを一度にすべて、完璧に身に付けた状態で管理職に就くべきだということが言いたいわけではありません。
ただ、「女性管理職を増やしたい」という目的だけで準備なく登用しては、管理職に就いた本人、またその部下も含めあまり良い影響を与えないと考えるのです。

■「女性活躍」は多様化時代を乗り切るためのキーワード

「女性管理職」が活躍することにどのような意味があるのでしょうか?
そういう筆者も、ほとんど準備なくその職に就いた経験があり、本当に苦労をしました。

本人だけの苦労ではなく、周りにも一定のマイナス影響を与えてしまったことは、今も反省として心に残っています。

自分の発言や考え方、行動は、自分が思っている以上に影響力があること、そして評価をする立場になるという事は、簡単に部下の人生を変えてしまうほどの、力をもっているということ、その役割認識と理解が重要だと考えます。


それらの認識やスキルの準備を整えた上で、女性の管理職登用を行うことで、前述の「企業風土改善」のきっかけになりえると考えます。
そして、このような視点・目的から「女性活躍」を見てみると、女性活躍推進に企業として取り組むということは、企業競争力を高める可能性を十分もっている取り組みであると言えるのではないでしょうか。

また、これまで女性に限定した内容で話を進めてきました。
ですが、企業風土の改善という視点でみると、女性に限ったことではありません。

今後は女性だけでなく、外国の方や障害をお持ちの方など、さまざまなバックボーンをもった方が同じ組織で働くという現実が待っています。
さらに、組織のメンバーは、それぞれの価値観・感情をもった人間です。
画一的な価値観や考え方しか受け入れられない組織は、競争力を失い、成長も停滞するでしょう。

女性や外国人など、目に見えてわかりやすい違いを受け入れることはもちろん大切です。
ですが、組織では日々目の前で様々な価値観の方とやりとりをしているはずです。
どれほどの人が、その目の前の上司や部下、同僚の価値観に目を向けているでしょうか。
価値観が違うからと理解しあえないと諦めていないでしょうか。

女性活躍という大きな目標に向かう事だけでなく、目の前にいる人に向き合い、理解しようと努める、その1つ1つの積み重ねが、女性をはじめとする多様な人材が活躍できる組織づくりの一歩となるはずです。
目の前にいる人を1人の人として大切に想い、自分の価値基準で考えないこと、受け入れてみることにぜひ取り組んでみてください。

■おススメの特別セミナー

■岡山市委託事業【無料セミナー】
 新しい時代の「企業を創る」女性活躍推進セミナー

詳細・お申し込み

■岡山市委託事業【無料セミナー】
 働く女性のためのライフプランセミナー&個別相談会

詳細・お申し込み

■おススメの関連セミナー

管理職対象セミナーシリーズ

女性のためのキャリアビジョン研修【1】<自己理解編>

女性のためのキャリアビジョン研修【2】<キャリアビジョン編>