クレーム対応のポイントと企業の業績アップにつなげる方法とは?

2019年07月05日

お客様からのクレームは、商品やサービスの問題点を指摘されることであるため、企業にとって好ましいものではありません。
しかし、クレームをいただくことは、一種のチャンスでもあります。

問題点の改善につなげられるのはもちろんのこと、うまくクレームに対応することができれば、お客様の満足度を向上させることも期待できるでしょう。

今回は、クレーム対応についての社内教育を考えている企業担当者を対象に、お客様の理解を深めるクレーム対応のポイントと、上手に企業の業績アップにつなげる方法を紹介します。

■クレームをくださるお客様の心理状態とは?

クレーム対応をうまく進めるために、まず押さえておきたいポイントは、お客様がクレームをくださったときの心理状態を考えてみることです。
どのような気持ちでクレームをくださったのかが理解できると、相手の気持ちを和らげ、あるいは変化させるための行動に移ることができます。

お客様の心理状態は、クレームをくださるタイミングによって大きく違うものです。

そのタイミングとして、主に2つのケースがあります。
1つは問題が発生して、すぐにクレームとして連絡があるケース。
そしてもう1つは問題が発生して、しばらく時間が経過してからクレームとして連絡があるケースです。
それぞれを特徴に分けて、理解をし、対応することも重要です。

1.問題が発生して、すぐにクレームをいただくケース

  • 問題発生直後にクレームをくださるお客様は、感情的になりやすく、興奮気味であることが多い
  • お客様が納得する状態まで(冷静になるまで)持っていく必要があるので、慎重な対応が求められる

2.問題が発生して、時間が経過してからクレームをいただくケース

  • 問題が発生して、しばらく時間が経過してからクレームをくださるお客様の場合は、それ自体が大きな問題につながらなかった場合が多い
  • お客様が気がついたことを、事後的に伝えてくださるため、お客様自身も落ち着いていることが多いので、冷静な会話となるケースが多い

どちらのケースであっても、クレームであることに変わりはありません。
そのため、タイミングの違いや内容に関係なく、どのようなクレームにも適切に対応することが求められます。
場合によっては企業全体のイメージダウンにつながるおそれもあるため、対応は慎重に行わなくてはなりません。

■お客様からのクレームに対応する5つのポイント

どのような状況であれ、クレームがあった場合には、企業として内容を受け止め真摯に対応することが求められます。
その中での、以下のポイントをおさえながら対応すると、トラブルにつながりにくいでしょう。

クレーム対応のポイント
1:まずは謝罪をする ~ 不快な思いをさせてしまったことに対する真摯な謝罪 ~

お客様へのクレーム対応として何よりも最初に行うべきことは謝罪です。
もしクレーム申し立てる立場であったならば、クレームについて真摯に応対してくれるほうが望ましいと思えるのではないでしょうか。

最初に謝罪を行うことは、非を認め、誠意を持って対応していることの証となります
謝罪がないまま対応を進めると、お客様の怒りが収まらずに内容がこじれる可能性もあるので、最初に謝罪を行うことが最も重要であると認識しましょう。

謝罪では、誠意をはっきりと表すことが大切です。
「それはご不便をおかけしました。申し訳ございません」のように、相手が困っていることに対してストレートに謝罪する態度を表すようにしましょう。

もちろん、中には興奮状態や感情的な状態でクレームをくださるお客様もいらっしゃいます。。
このような場合であっても、企業側も感情的になるのは逆効果です。
言葉遣いだけではなく、表情や態度にも対応者自身の「不快な感情」を出さないように注意しなければなりません。

なお、企業によっては「自社に非があることが明らかになるまでは謝罪をしない」という取り決めがある場合もあるでしょう。
また「一度非を認めてしまうと、かえって問題がややこしくなるのでは」という心配もあるでしょう。

しかし、その場で謝るということだけで、賠償のような対応にいきなり発展することはありません。
お客様の怒りを受け止めるためにも、まずは落ち着いてお詫びをすることが大切です。

特に、クレームは初動での対応によって、その後の流れや顧客との関係性が大きく変わるので注意しましょう

クレーム対応のポイント
2:クレームの内容を聞く ~ 具体的なクレーム内容を正確に理解・記録する ~

クレーム対応の最初の対応として、前述のように謝罪をしたあとは、お客様のクレームの内容をよく聞くことになります。
お客様に何度も聞き返すことがないようにするためにも、クレームの内容は正確に理解して、きちんと記録しておくことが大切です。

具体的な対応として、まずは実際にどんなことが問題になっているのかを聞き出しましょう。
問題となっている内容がわからなければ、その後の対応を進めることができません。
もちろん、お客様が感情的になっている場合は、その内容が理路整然としているとは限らないでしょう。
お客様のペースに合わせるのではなく、対応者自身のペースで冷静に聞き取ることが大事です。

問題を聞き出した結果、商品そのものに欠陥があるような場合は、現物を見せてもらうのが良いでしょう。
百聞は一見にしかずといわれるように、問題内容を口頭で説明してもらうよりも、現物で確認したほうが確実に問題を把握できます。
また、口頭による意思伝達は、思いもよらない認識の相違を生む可能性が否定できません。
現物による確認は、問題内容についての共通認識を形成するためにも有効な方法です。

一方、サービスやスタッフの対応に関する問題については、あとでサービス内容の検証やスタッフへの確認を行うためにも、記録が重要になります。
確認すべき事項は、問題が発生したときの状況や問題の内容、スタッフの名前などです。

そして、正確にメモを取ることを忘れないようにしましょう。
特に、対面によるクレーム対応の場合、顧客は対応にあたった人の謝罪だけではなく、表情や仕草といった細かい部分までよく見ていることがあります。
そのひとつとして、メモを取っているかどうかを気にする顧客も多いものです。
きちんとメモを取るということは、備忘録の作成となるだけではなく、問題を確認していることの表れとなるので、誠意ある態度として相手の目に映りやすくなります。
したがって、メモはどんな些細な内容であっても必ず取るようにしましょう。

クレーム対応のポイント
3:お客様の客の話を聞く ~相手の気持ちに共感する~

クレーム対応のポイントとして、問題となった内容を確認しながら、相手の話に共感する姿勢を見せることも非常に大切です。
お客様によっては、クレームの内容を伝えただけでは感情が収まらないこともあります。
しかしながら、一般的に怒りや興奮といった強い感情は長時間持続することは少ないため、冷静に会話を続け、お客様の気持ちを受け止め続けることで、いつかは収まることでしょう。

もちろん、業務の効率化の観点から考えると「ひとつのクレームに対して時間を“かけすぎる”」ことは望ましいことではありません。
だからこそ、きちんとお客様の気持ちに寄り添うことで「自分の感情を理解してくれている」という気持ちにつながり、早期にお客様が落ち着いてくださる状態を作りましょう。
特に、不満を持っている人の多くは共感して欲しいという心理的欲求を持っているので、共感することは不可欠です。

共感を示す方法のひとつとして、わかりやすい言葉で応対するのが効果的です。
「それは大変でしたね」「ごもっともです」「わかります」など、お客様が困っていることや不満に対して理解を示す言葉をかけると、ストレートに共感の意思を伝えられます。
また、適度に相づちを入れることも有効です。
言葉だけではなく、視覚的にも共感していることを表現するように心がけましょう。

なお、共感を示すということは、相手の要求を無条件に受け入れることではありません
クレームにおける要求は、マニュアルの範囲内で、また組織として対応する必要があり、担当者個人が恣意的に判断してはいけないものです。
できもしない対応を不用意に答えてしまうと信用問題にかかわることもあるので注意しましょう。

 クレーム対応のポイント
4:相手の怒りに流されない ~ お客様は「困っている」ことを理解する ~

お客様がクレームをくださる場合、そのほとんどは「何かしらの問題」があって怒っておられるものです。
適切なクレーム対応として大切なポイントは、相手の怒りに流されないようにすることです。

もちろん、どんな相手にも冷静に対応できれば問題はありません。
しかし、クレームに対応する人も人間である以上、強い感情にさらされると萎縮することもあれば、逆に不快な思いをすることもあるものです。
そのため、ただ冷静に対応しようと努めるだけではなく、少し考え方を変えてみるようにしましょう

もしお客様が怒っている場合は、お客様が「困っている」のだと理解するようにしましょう。

人が怒りの感情を持つとき、その根底にはたいてい自分にとって何かうまくいっていない事柄が存在します。
たとえば、メールの返事が遅くてイライラしているのであれば、「返事がこなければ進まない問題があるので困っている」のだと考えられるでしょう。
同じように、購入した商品が壊れたので怒っている場合は、「その商品に期待していた効果が得られていないので困っている」と考えることもできます。

困っていることを相手へ訴えるという行動は、単純に「感情の矛先を求めている」という以外に、「困っている状況をどうにかしたい」という欲求に基づいています。
クレームを伝えて攻撃的になるのは、困っている状況を助けて欲しいという感情の強い表れだと言えるでしょう。

そのように考えると、確かに怒っている人は怖い人に見えることがあるものの、困っている状況に対して助けを求めている人とみることもできます。
助けて欲しいと訴えている人なのだと捉えることができれば、落ち着いて話を聞くことは難しくはありません。  

 

クレーム対応のポイント
5:問題に対して提案をする 

一通りお客様の話を聞いたあとは、実際に起きている問題を解決する手段を講じなくてはなりません
そのためにも、問題に対してこちらから提案することがポイントになります。

たとえば、購入した商品に問題がある場合は交換を提案するのが良いでしょう。
ただし、同じ商品を交換するためには在庫を持っている必要があります。

在庫がない場合は代金の返還や、同じ性能を持った類似品との交換などが提案内容として考えられるでしょう。
もちろん、商品の交換や代金の返還といった提案は、基本的には企業として決めたルールから逸脱しない範囲において行う必要があります。

サービスやスタッフの対応に問題があった場合、内容によってはすぐに改善するのが難しいものです。
今後のサービス利用如何にかかわらず、問題点を改善する姿勢を相手に伝えることが重要です。
また、言葉だけでなく、実際どのように改善するか、社内で共有し、改善行動に繋げることも大切です。

すべてのお客様が、提案した内容を素直に受けてくれるとは限りません。
お客様によっては、最初からとって欲しい具体的な対応を考えている人もいるでしょう。
提案できる解決策を2~3種類は用意した上でクレーム対応にあたり、最終的にお客様ご自身が複数の解決策の中から選択できるようにすることは、お客様の気持ちの寄り添う企業体制の表れの一つとなるでしょう。

クレーム対応のポイント
まとめ:クレーム対応は初動が大切!

前述のようなポイントに気を配りながら対応することは重要ですが、その中でもやはり最初のポイントとしてあげたように、クレーム対応は何よりも初動が大切です。

最初に謝罪を行うのは「はじめに非を認め、誠意を持って対応している」ということを示して、そのあとの顧客とのやりとりをスムーズに進めるようにするためです。
最初の対応でお客様との関係が悪化してしまうと、クレームの中心となっている問題以外に、関係の修復といった別の問題も抱えることになります。
余計な問題を増やさないためにも、初動は十分に注意しなくてはなりません。

その上で、ポイント2~5で紹介したような、顧客とのやり取りの中での注意点に気をつけて対応していきましょう。

■クレームは対応次第では企業に大きな損害をもたらす

お客様のクレームに対して、対応することが増えてくると、クレームの内容や対応についてはある程度パターン化することができるでしょう。
しかし、お客様一人ひとり、性格や置かれた状況は違います。
パターンに沿ったクレームのないようであったとしても、それを頭に置きながら、慎重に対応しましょう。

クレームの対応に失敗すると、お客様の不満が増大するだけではなく、場合によっては企業にも大きな損害をもたらすことがあるのです。
特に、世論を敵に回してしまうようなケースには十分に注意しましょう。

商品やサービスへの不満に加えて、そのクレーム対応への不満がSNSなどで発信されると、内容によっては一気に情報が拡散されることもあります
支持者が増えるとSNS上のトレンドとなり、マスコミがニュースに流すことも。
いわゆる炎上という状態に陥ると企業全体としてのイメージダウンにつながり、最悪の場合、営業自粛という選択をとらなければならなくなります。

また、クレーム対応だけでお客様の問題が解決しなかった場合、お客様が解決を求めて訴訟に踏み切るケースも考えられます。
勝算の有無に関係なく、裁判はそれなりに時間と労力を消費するものです。
もちろん、敗訴した場合には企業の落ち度が認められることとなり、さらには賠償金を支払うことになるおそれもあるでしょう。
仮に勝訴が見込める場合であっても、裁判沙汰になったというイメージはマイナスの要素を抱えているため、裁判中はあらぬ批判を受けることも覚悟しなければなりません。
何よりも、裁判によって企業そのもののイメージダウンや顧客離れにつながる可能性があるので、どのような場合であっても訴訟への発展は避けるようにしたいものです。

■間違ったクレーム対応とは?

このように企業イメージに大きな影響を与えかねないクレーム対応の重要性を認識したうえで、ここから、特に陥りやすい「間違ったクレーム対応」とはどんなことか見ていきましょう。

感情的になっているお客様に対して悪手となるクレーム対応のひとつは、相手の神経を逆撫でするような対応です。
そのため、不快な感情を煽ることのないように、普段から丁寧な言動や態度を心がけることが大切になります。
しかし、神経を逆撫でするものは、何も言動や態度だけではありません。
丁寧で親切だといわれる人であっても、不用意にとった行動が火に油を注いでしまうこともあるのです。

間違ったクレーム対応
1:お客様の話をさえぎる ~ お客様の伝えたいことを途中でさえぎっていませんか?~

間違ったクレーム対応のひとつは、お客様の話をさえぎってしまうことです。
クレームをくださるお客様は、感情の出口として自分の言いたいことを言い切ろうとするでしょう。
そんなときに、対応者が話の途中でさえぎってしまうと、お客様としては言いたいことをすべて言い切ることができず、かえって不満をくすぶらせてしまう可能性があります

感情的になっているお客様に対しては、まず話を一通り聞くことが何よりも大切です。
相手の意図する内容とは違う範囲で勝手に話をまとめようとするのも逆効果です。
お客様は「自分の言いたい内容を何も理解してくれていない」といった気持になり、誤解を招くことになります。
一方的な解釈を交えてまとめることのないように注意しましょう。

なお、お客様が同じ内容をくり返している場合は、聞き取った情報からくみ取れる内容の範囲の中で、話をいったん整理することは有効です。
また、お客様によっては一通り話すことによって気分が晴れることもあります。
正確な情報に基づいて整理するためにも、そして相手の感情を発散させるためにも、クレームは途中でさえぎることなく、一度出し切ってもらうようにしましょう。

間違ったクレーム対応
2:お客様の話を信用しない ~ 先入観を持たずに対応できていますか? ~

お客様の話を信用しないという言動や態度も、間違ったクレーム対応のひとつとして注意が必要です。
商品に対する不満や問題を訴えているお客様に対して 「それは本当に当社の製品でしょうか」 「そのようなことは考えにくい」 などと言って、相手を疑うような態度に出てはいけません。
そのような対応をとることによって相手の怒りがエスカレートするのは、容易に想像できるはずです。

たしかに、クレームの内容によっては本当にそんな問題が起きているのかと疑わしく感じられることもあるでしょう。
しかし、実際には起こっている問題が単なる勘違いであるということも考えられます
もちろん、勘違いであることを穏やかに指摘するにも順序立てて会話をしていく必要があるので、その場では反論せずに、まずは前述のように話を一通り聞くことが大切です。

何が起こっているのか、どのような点に不満があったのかを聞き取るようにしましょう。
そして「それは大変ご迷惑をおかけしました。それでは、こちらで原因をお調べいたします」といったように、相手のクレームをまずは受け止め、丁寧に対応しましょう。

調査の結果として相手の勘違いが考えられる場合も、製造番号や保証書のように客観的な情報を確認する形で、やんわりと勘違いを指摘する、もしくは勘違いに気づいてもらうことが大切です。

間違ったクレーム対応
3:社員の味方をする  ~ 無意識に社員をかばっていませんか? ~

間違ったクレーム対応として、社員の味方をしてしまうというものがあります。
主にサービスやスタッフの問題に対するクレームにおいて起こりやすいと言えるでしょう。

当然ながら、お客様に対してあからさまに問題のある態度や行動をとることは、企業イメージを損ない、相手との関係をいたずらに悪くするだけです。
そのため、実際に問題を起こすような社員はいないだろうと考えるのも無理はありません。

しかし、人によっては、ふとした目線が不快に感じられたり送り迎えの挨拶が聞き取りにくかったりすることもあります。
相手を不快にさせるケースというのは実にさまざまであり、場合によっては顧客が過剰に反応してしまうということも十分に考えられるでしょう。
そのような状況において「当社のスタッフはそのようなことはいたしません」といったように、社員をかばうような姿勢を見せるのは有効ではありません。

逆に自分が疑われているという認識を与えてしまい、関係の修復という新たな問題を発生させることになるのです。
過剰な反応であることを冷静に指摘することは、クレームを伝えてくださるお客様の求める対応ではありません。
お客様の心理的欲求は何かを考え、真摯に詫びる姿勢を保つようにしましょう。

間違ったクレーム対応
4:そのまま放置してしまう ~ その場限りの対応になっていませんか? ~

クレームを放置してしまうことも、間違ったクレーム対応のひとつとして注意しましょう。
ここでいうクレームの放置とは「問題そのものを根本的に解決することを引き延ばす」という意味です。

ひとりのお客様が不満に思っている問題は、ほかのお客様も不便に感じている可能性があります
たとえクレームをうまく処理できたとしても、問題の中心が放置されたままでは意味がありません。

したがって、その場しのぎでクレームを収めるのではなく、問題の直接的な原因を解消するようにしなければなりません
場合によっては解決した内容を公表することによって、これ以上クレームを出さないように努めることも必要になります。

できるだけすぐに対応をとることは、顧客の信頼度を高めることにもつながります。
お客様から、問題が放置されていると思われることのないように、クレームがあったときには迅速な対応を心がけるようにしましょう。

また、クレームの解決後はお客様とのかかわりを終えるのではなく、むしろつながりを保っておくことが大切です。
クレームによって商品の問題点を改善することができたと感謝の気持ちを伝えておくのも良いでしょう。
アフターケアの一環として、メールや手紙を送っておくことも有効です。

■クレームは企業を成長させるチャンスととらえる

企業にとって、問題を指摘されるクレームは決して喜ばしいものではありません。
しかし、クレームによってもたらされた問題点は企業にとって改善すべきポイントでもあるため、クレームは企業が成長するチャンスととらえることもできるのです。

クレームからはお客様の満足度を高めるための、実にさまざまな事柄が学べます。

たとえば、製品に欠陥があった場合、定期的な自主検査でも行っているのでなければ、企業側が問題に気がつくことは難しいと言えるでしょう。
しかし、クレームによって欠陥が判明すれば、場合によっては事故やケガを引き起こす前に自主回収を行うことができます。
また、サービスの不便な部分についても、普段からサービス内容を理解している社員ではなかなか気がつかないと言えるでしょう。

サービスへの満足や不満は、お客様が感じるものです。
クレームによってサービスの不便な部分を指摘してもらえれば、企業として改善策を講じることができます。

もし、スタッフの対応に問題があるとのクレームがあれば、問題点を明らかにして個人へのフィードバックが実施できるうえに、社内教育の見直しにも活用できるでしょう。

■クレームを企業の業績アップにつなげる方法とは?

クレームを前述のようにとらえると、クレームは企業の業績アップにつながる材料の宝庫と言えます。
クレームをくださるお客様は、業績アップに貢献してくれる最高の存在であると考えましょう。

たとえば、クレームを伝えてくださるお客様は、リピーターになってくれる見込み客でもあります。
強い感情をもってクレームを伝えてくださるのは、それだけお客様にとって問題が大きいということの表れです。
そのため、クレーム対応で顧客の大きな問題を解決することが、顧客とのあいだに強い信頼関係を築くことにつながります。


クレームが届かないからお客様からの不満がないということではありません。
むしろ、不満や問題があっても企業へ伝えることなく、そのまま商品やサービスが利用されなくなってしまうことのほうが怖いと言えるでしょう。
企業としては売り上げや利用者が減ったことに対する分析ができないため、理由がわからないままお客様が離れていく状況に怯えることになります。

また、その他にも、お客様が不満やクレームを企業へ直接伝えるのではなく、SNSなどへ投稿されることも考えられます。
企業側がそれを放置していると、知らないうちに悪評が流され、拡散されてしまうという事態にもなりかねません。
迅速なクレーム対応はそれだけで信頼を得ることができます

お客様がが不満に感じたことはすぐに正すようにしておくと「あの企業は問題をすぐに対応してくれる」という認識を与え、信頼を勝ち取ることができるでしょう。
次回も利用してくれる可能性が高まるだけではなく、企業のファンとなってくれる可能性も期待できるのです。

もちろん、一度ファンとなってくれたお客様は企業に関する良い情報を流してくれることもあり、企業イメージの貢献にもつながります。

■お客様がどこで誰とつながっているかを想像することが大切

クレーム対応においては、対応そのものにおける注意すべきポイントのほかにも、少なからず意識しておきたいことがあります。
そのひとつは、クレームをくださったお客様がどのような人とつながっているかを想像してみることです。

どのようなクレームであっても、お客様からの声に変わりありません。
そのお客様同士のつながりをイメージし対応することが大切です。

大切お客様を失わないようにするためにも、どのようなケースであってもクレームには真摯に対応することが求められます
また、誠実なクレーム対応に好感を持っていただくことができれば、さらなに別のお客様を紹介してくれることも期待できます。

このように考えると、むしろクレーム対応が売上げアップのチャンスとなるのです。

目の前の相手の向こうには無数の顧客が広がっているのだと想像しながら、クレーム対応に臨むようにしましょう

クレーム対応を社員教育のひとつとして徹底しておく 形では、顧客によってタイプが分かれることも多く、画一的に処理することが難しいものです。
同じ商品やサービスであっても、顧客が感じている不満の内容は異なります。
たとえ不満の内容が同じであったとしても、クレームをくださったお客様の性格や感情はまさに人それぞれだと言えるでしょう。
その意味では、クレーム対応の正解は1つだけしかないというものではありません

しかし、適切なクレーム対応の大枠は決まっており、大切なポイントや注意すべきポイントというのは同じです。
何よりも、お客様の不満を納得できる形で解消するためには、真摯な態度で対応に臨むことが欠かせません。
そうして不満を信頼に変えることが、お客様をリピーターやファンに変えることにもつながります。
適切なクレーム対応は一朝一夕で身に付けられるものではないので、普段から正しい社員教育を実践するようにしたいものです。

なお、社内のみで教育を行う場合は過去の事例を教材にすることとなるため、想定外のケースに対応するのは容易ではありません。
できれば外部からプロの講師を招いて、あらゆるシチュエーションを想定した教育を徹底するようにしましょう

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