SDGs(エスディージーズ)をもっと身近に!

2019年07月16日

■今、なぜ 「SDGs」なのか?

つい数週間前にG20大阪サミットが終了しました。
世界20の国と地域のトップが、一堂に会し、世界の経済に関する様々な議題…たとえば「貿易」「開発」「投資」などについて話し合われました。

その中での論点の1つに、私たちにも身近な問題でもある「廃プラスチック問題」がありました。
「2050年までに海洋プラスチック(廃プラスチック)をゼロにする」という目標で各国が合意したというニュースを、見聞きした方も多いのではないでしょうか?
毎日のようにニュースで取り上げられるこの「廃プラスチック問題」。
実は、これも今回テーマとした「SDGs(エスディージーズ)」の目標の1つ
となっています。

皆さんはそもそも「SDGs」をご存じでしょうか?
「SDGs」とは簡単に表現すると「国連が定めた世界的環境目標」です。

これだけでは、まるで自分には関係ない壮大な目標というイメージもあり、身近に感じない方も少なくないのではないかと思います。

しかし実は、一人ひとり個人の日常の取り組みが「SDGs」の達成につながる鍵となっています。

そして近年、「SDGs」に対して、積極的なアクションを取る企業も増えてきました。
市場が成熟し、企業間の差別化をはかることが困難になりつつある現代で、企業の「SDGs」への取り組みは非常に注目を集めています。
そして今後、その傾向はますます加速化すると考えられます。

そこで今回は、「SDGs」を少しでも身近に感じていただきながら、今後どのような考え方や価値観が求められるのかを、「自分たちからみた世界」ではなく、「世界からみた日本・企業・個人」という視点でお伝えをしたいと思います。

■知っておきたい基本情報 「SDGs」って何?

まず、「SDGs」とは何か?について簡単に触れておきたいと思います。

「SDGs」とは「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった略称で「持続可能な開発目標」と訳されます。
この「SDGs:持続可能な開発目標」について外務省ではこのように表現しています。

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます

外務省出展:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

世界共通の問題である「貧困や飢餓の撲滅」のほか、近年問題となっている「地球温暖化」、「廃プラスチック」などに関する対策など、世界の国々が協働して達成すべき開発・環境分野における国際社会共通の目標、つまり冒頭で表現した通り「世界的環境目標」を称して「SDGs」といいます。

ここまで説明されても、まだまだスケールが壮大であり、ましてやこれがなぜ自分事となるのか…イメージが湧きづらいと思います。

ここからは、肝心の「SDGs」の中身、「持続可能な開発目標」とは具体的にどのようなものなのかを見ていきたいと思います。

上に紹介しているのはSDGsの「17のゴール(目標)」アイコンです。

SDGsはこの「17のゴール」に対して、それぞれ具体的な目標が示されており「169のターゲット(具体目標)」で構成されています。
このアイコンをどこかで目にした方も多いのではないでしょうか?

上のアイコンに沿った17のゴールは以下のように決められています。

【SDGs 17のゴール(目標)】

01. あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
02. 飢餓をゼロに
03. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
04. すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
05. ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
06. すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する
07. 手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
08. すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する
09. レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
10. 国内および国家間の不平等を是正する
11. 都市を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする
12. 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
13. 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
14. 海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15. 森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
16. 公正、平和かつ包摂的な社会を推進する
17. 持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する

※国際連合広報センターホームページより転載

 

以上の17のゴール達成のために設けられた、169の詳細なターゲットまではここではご紹介しきれませんが、それぞれが細かくかつ、具体的に決められていることから、国連・世界が問題としている事柄が明確にわかると思います。

■個人や企業にも大きく関係がある「SDGs」

冒頭少し触れた「廃プラスチック問題」についても、ここで挙げられている17の目標達成を妨げる課題です。
ゴール12「持続可能な消費と生産パターンの確保」ゴール14「海の豊かさを守ろう」を達成するためには「廃プラスチック」への対策は必要不可欠です。

ゴール目標を達成するためには、個人の取り組みが迫られていることは、最近のプラスチックストローやプラスチックバック(ビニール製の買い物袋)削減の動きから感じられることでしょう。

「SDGs」への取り組み事例

廃プラスティックへの取り組み事例

世界的大手飲食チェーンが2018年7月に「自社で提供するプラスチック製の使い捨てストローの使用を、2020年までに世界中の店舗で全廃する」と発表しました。

また最近では2019年6月に、環境省の基本方針として「プラスチックごみの削減をめざし、事業者はプラスチック製のレジ袋を無償配布してはならないと」する法令を新たに制定することが発表されました。
これを受けて、早々にスーパーやコンビニでレジ袋を有料化に踏み切る企業があったり、紙製のショッピングバックを提供開始する企業が報じられるなど、ニュースをにぎわせています。

これらは、まさに企業による前述の「廃プラスティック」の先駆的なアクションです。

そしてこのような企業のアクションに倣って、個人が消費を行います

たとえば、これまでは個人にゆだねられていた「マイバック」を持っていくという行動一つとっても、企業がレジ袋の有料化に踏み切ることで強制的に「マイバックを持つ」か「優良で購入するか」の2択となるわけです。

あくまでも「個」で取り組んでいた環境問題への個人のアクションが、飛躍的に広がることが容易に想像できます。

食品ロスへの取り組み事例

われわれ個人にもう一つ身近な問題として「食品ロス」の問題について紹介します。
この「食品ロス削減」も17の目標達成を妨げる課題の1つと言えます。

2019年5月24日「食品ロス削減推進法」が参議院本会議にて全会一致で可決され、成立しました。

まだ食べられるのに捨ててしまう「食品ロス」問題は、日本は先進国の中でも、意識が低いことが指摘され今回法律として制定されました。
国は各自治体に削減推進計画を作るよう求め、企業には国や自治体の施策に協力するよう求めていきます。
また、消費者も買い物から調理までの方法を改善することを促すなど、全方向から食品ロスを削減することを目指したものです。

これまでにも各企業が、廃棄する食品を肥料にしたりフードバンクと提携するなどの動きが見られていました。
さらに法令の制定後、その勢いは加速化しており、最近では大手コンビニエンスストアチェーンが「消費期限が迫っている商品を購入したお客様に、ポイントを還元する」という取り組みを今秋から開始する発表をしました。

まさに食品ロスを削減する施策が、個人にとって取り組みやすい身近な形となって表れた例と言ってよいでしょう。

このように規模は世界的ですが、非常に具体的な目標が定められているのです。
そして、この実現の為には「行政の取り組み」「企業間での取り組み」「個人の取り組み」には限界があり、「行政⇒企業⇒個人」という流れが大きな鍵となっています。
そしてこの流れは、今回テーマとしたSDGsのポイントでもあります。

ここからは、SDGsを通じ、企業が取り組む意味や重要性について考えていきます。

■「CSR」「MDGs」とは違う 個人・企業に求められる「SDGs」への取り組み

冒頭の説明でもあった通り、「SDGs」は2001年に策定されたミレニアム開発目標「MDGs」の後継として採択された国際目標です。
この2つには大きな違いがあります。
「MDGs」はいわゆる行政を主体とした取り組みに対して、「SDGs」は行政だけでなく民間企業をも中心に、世界のすべての人(個人・企業・団体)が課題解決に主体的に取り組むことを目指しています

類似するもので、「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」というものもあます。
これは、企業が自社の利益を追求だけでなく、社会全体に対して地域社会への貢献や環境的な配慮などの社会的な責任を持っていることを示しており
その観点から社会貢献に取り組まれている企業も多いと思います。
しかし、CSRの取り組みの中には、あまり企業の本業と直接関係のないものも多くみられます。

「SDGs」は、個人や各企業がそれぞれの本業を通じて目標達成に取り組むことが重要であるという考え方をもっていることも大きな特徴です。

■国連から企業に託された使命

世界の消費活動は、当然個人の消費が軸となっています。
そして個人に消費を促すのは企業です。

行政が主体となって「環境問題」への取り組みや提言を伝えるだけでは、実際に消費行動へ結びつかないことが多く、限界があります。
「MDGs」から「SDGs」へと展開されていったのはまさに、ここが大きなポイントであると考えられます。

個人が日々の生活の中で「環境問題」を「自分事」という認識が持つためには、企業が本業の中で「SDGs」の目標達成に結びつくモデルを形成し、それを個人(消費者)に示していく。
そうすることで、一人でも多くの個人が「17のゴール」に目を向けるようになる、こうした流れを狙っていると言えるでしょう。

つまり、今まで行政の発信で企業や民間による「点」の取り組みとして終わっていたものが、食品ロス問題のように「行政⇒企業⇒個人」とブレイクダウンされ、意識が伝達される。
また企業の本業によって、多くの個人(消費者)が課題解決に向けた意識の醸成や行動変容に繋がることを「SDGs」は期待していると言えます。

企業は、「SDGs」を具体的にかつ持続的に推進するための重要な役割やポジションを担っていると言えるのです。

■「SDGs」の取り組みに向けた第一歩はどこから?

ここまでで、企業として「SDGs」取り組むことの社会的な重要性は理解いただけたかと思います。

では実際に取り組むためにはどうしたら良いのでしょうか?

企業によっては実際に取り組むために、事業転換や戦略の見直しなど、企業としてかなり上位概念から考え直すことが必要がある場合があるでしょう。
しかしながら、「本業」を通じて目標達成に取り組むことができる、取り組める範囲から少しずつ対応していくことができるというのが、この「SDGs」の魅力です。

本業だけでなく、社内の体制、労働環境なども対象となります。

まずは第一歩として、現在の企業の体制や、取り組み、活動などを俯瞰して、この「SDGs」のゴールに照らし合わせてみてはいかがでしょうか?

 

■取り組むメリット・取り組まないデメリット

そうはいっても、「世界の環境問題への貢献が自社に何のメリットがあるの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
では経済活動を行う企業という観点で考えてみます。

この場合に、考えられる最大のメリットは「企業のブランディング」になると考えています。
もう少し平たくいうと「企業価値の向上」です。

昨今、世界の投資家の間では「SDGs」への取り組み如何が、投資対象か否かの判断軸になるとも言われています。
投資家の評価を得られない企業となれば、資金は集められず様々なステークホルダーからの信頼も得ることができないでしょう。
最悪の場合、取引を停止されることも考えられます。

逆に「SDGs」に取り組んだ事業戦略や開発を進めることで、投資家の投資対象となり、評価が上がります。
そうなると、顧客からみた企業イメージは向上するため、ブランディング効果も期待できます。

世界基準で評価された企業であれば、優秀な人材も集まる可能性も高まります。
もちろん、従業員のモチベーションや自己肯定感も高まるでしょう。

■改めて、自分・自社で何ができますか?

このように、世界では「SDGs」の観点が非常に重要視されています。
そのような「世界の評価基準」で考えた場合、企業として個人として、「自己(自社)の利益追求型の形」は、社会に受け入れられなくなるでしょう。
今後、「どこに視点を置き、どのような価値観でビジネスを考える必要があるのか」おのずと見えてくるのではないでしょうか?

普段、何気ない生活の延長や企業の理念や活動が国連の定めた17のゴールに繋がっています。
そして、その繋がりを意識することが、目の前に広がっている生活・ビジネスを考え直すきっかけになります。

つまり、現状の延長だけでなく、世界から見た自らの立ち位置を見つめ直し
「企業として、今、何をやるべきか、何ができるのか?」
「個人として、今、何をやるべきか、何ができるのか?」
を考えることが、様々なビジネスチャンスを生む機会となると思います。

かくいう私たち・株式会社キャリアプランニングも、教育・コンサルティング事業部として、研修やコンサルティングを通じて、皆さんに「SDGsをもっと身近に考えていただき、取り組むための一歩となる機会」を提供したいと考えています。
そして、私たち自身も、現在、企業としての取り組みを、SDGsの目標と照らし合わせながら真摯に向き合っています。

今回企画したセミナーや本コラムを通じ、多くの方が、個人や企業として「SDGs」を我が事として捉え、考え、そして行動に移していただけることを、切に願っています。

 

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