人材開発コラム COLUMN
未来を生き抜くリーダーシップとは? vol.1
2018年02月27日
■人生100年時代のリーダーシップ
団塊の世代(1947~49年生まれ)が70歳を迎え、いよいよ本当の意味での超高齢化と超少子化の時代がやってきます。世界がまだ経験をしていない社会が到来するのです。
それに伴い社会基盤や産業構造は大きく変化することでしょう。既存の価値観や働き方はもう通用しない時代なのです。定年制の廃止や外国人労働者の活用、女性管理職の登用や障害者雇用の推進など、企業を取り巻く環境は激変していくのです。もはや既存のマネジメント手法や組織運営は意味をなさなくなってくることでしょう。
平成29年、安倍総理は「人生100年時代構想会議」を設置、新たな時代における働き方についての検討が始まりました。第四次産業革命により仕事や生活の環境が大きく変化する中で「社会人基礎力」が再検討されています。
人生100年時代を見据えて、私たちは“自律的なキャリア形成”の必要に迫られています。
変化の激しい社会で、課題を見出し、チームで協力して解決する力(課題設定力・解決力)、困難から逃げずにそれに向き合い、乗り越える力(耐力・胆力)、多様性を尊重し、異文化を受入れながら組織力を高める力、価値観の異なる相手とも双方向で真摯に学び合う対話力(コミュニケーション能力)などが「社会人基礎力」の見直しの方向性として示される中、求められるリーダーシップも、また変化していくことでしょう。
ダイバーシティ(多様性)を尊重し、価値観の異なる相手との協働をなし、双方向で真摯に理解しあう対話力がこれからのリーダーには求められているのです。
本来、リーダーシップは特別なものでも、特殊なものでもありません。なぜならリーダーシップはリーダーにだけあるものではないからです。どんな立場でもリーダーシップは発揮できるのです。場面場面や役割の上で、それぞれのリーダーシップを発揮し、強いチーム力を発揮していくことが必要です。
■いつも強いチームは求められていた
集団(組織)が成長し、維持されていく為にリーダーは必要とされてきました。最初のフェーズは小さな集団からでした。その小さな集団は特定の個人の力によって支配されることで、また、メンバーはリーダーに依存することで安全と安心感を得ることができたのです。
次の段階は階級制度(ヒエラルキー)によるフェーズです。組織が成長すると規模も大きくなり、多くのルールや統制のための階級を必要とします。情報管理を行い、指示命令系統と役割分担が明確な状態で組織は安定的に管理されますが、そして組織は官僚化のフェーズ(いわゆるピラミッド型組織)へと向かうことになります。メンバーは機械のように精度を求められ、成果と貢献を追及することを目的とします。数値で管理され、人間性と効率性の衝突や矛盾が見受けられる段階で、次のフェーズへと移行していきます。
やがて組織は人間らしさや個々の主体性を考え、多様性が重視されるようになるのです。合意形成には時間がかかりますが、相互の意見や価値観の違いを乗り越えて、コミュニケーションを使って分かり合い、乗り越えようと強い絆をもつチームを創り出す努力をしていくのです。
vol.2では、次の組織モデル「ティール組織」等を紹介します。
(参考文献)
・人生100年時代構想 首相官邸 政策会議 (https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/jinsei100.html)
・「人生100年時代」を踏まえた「社会人基礎力」の見直しについて 経済産業省 産業人材政策室(http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/jinzairyoku/jinzaizou_wg/pdf/001_02_00.pdf)
(文責:キャリアプランニング契約講師 横山 三樹生)