2019年は改革元年! 「働き方改革法案の施行」をチャンスに変える!

2019年03月12日

■改めて・・・ 働き方改革法案で何が変わるのか?

働き方改革法案で何が変わるのか?
働き方改革関連法案が4月以降順次施行され、2019年は「働き方改革元年」とも言われています。
厚生労働省のホームページでは、主に以下のように主旨やポイントが発表されています。

主旨

働く方々が、それぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保等のための措置を講じます。

ポイント

【1】労働時間法制の見直し
【2】雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

■働き方改革法案のおさえておくべきポイント

前述の2つのポイントについて、厚生労働省の発表資料を抜粋すると以下のようになります。

【1】労働時間法制の見直し

目的
  • 働きすぎの防止
  • ワーク・ライフ・バランスの実現
  • 多様で柔軟な働き方の実現
見直しの内容
  1. 残業時間の上限を規制します
  2. 「勤務時間インターバル」制度の導入を促します
  3. 1人1年あたり5日間の年次有給休暇の取得を、企業に義務づけます
  4. 月60時間を超える残業は、割増賃金率を引上げます(25%→50%)
    ・中小企業で働く人にも適用(大企業は平成22年度~)
  5. 労働時間の状況を客観的に把握するよう、企業に義務づけます
    ・働く人の健康管理を徹底
    ・管理職・裁量労働制適用者も対象
  6. 「フレックスタイム制」により働きやすくするため、制度を拡充します
    ・労働時間の調整が可能な期間(清算期間)を延長(1か月→3か月)
    ・子育て・介護しながらでも、より働きやすく
  7. 専門的な職業の方の自律的で創造的な働き方である「高度プロフェッショナル制度」を新設し、選択できるようにします
    ・前提として、働く人の健康を守る措置を義務化(罰則つき)
    ・対象を限定(一定の年収以上で特定の高度専門職のみが対象)

これらの見直しとあわせ

  • 管理職の意識改革
  • 非効率な業務プロセスの見直し
  • 取引慣行の改善

の必要性がうたわれています。

施行期日 

2019年4月1日
※中小企業における残業時間の上限規制の適用は2020年4月1日
※中小企業における月60時間超の残業の、割増賃金率引き上げの適用は2023年4月1日

【2】雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

見直しの内容  
  1. 不合理な待遇差をなくすための規定の整備
  2. 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
  3. 行政による事業主への助言、指導や行政ADRの規定の整備
施行期日

2020年4月1日
※中小企業におけるパートタイム・有期雇用労働法の適用は2021年4月1日

以上
出典:厚生労働省「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて~」(https://www.mhlw.go.jp/content/000474499.pdf) より一部抜粋

このように、様々な法律が順次施行される中で、中小企業はより「魅力ある職場づくり」を目指さなければならなくなっているといえます。
そしてこの法対応は、深刻な人材不足を解決する1つの糸口にもなっていくといえます。

■「不満のない職場」が「魅力のある職場」ではない?!

様々な法対応による社内制度・人事制度の改定は必須事項です。
ただ、それだけを整備することで「魅力ある職場づくり」が完成するのでしょうか

ここでご紹介したいのは、アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱した「二要因理論」です。

「二要因理論」とは、人間の仕事における満足度は、ある特定の要因が満たされると満足度が上がり、不足すると満足度が下がるということではなく、「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)は別のものであるとする考え方です。

これは仕事の「満足」と「不満足」を引き起こす要因に関する興味深い理論で、「魅力のある職場づくり」の鍵になると考えます。

ここで考える「働き方改革に伴う法対応(各種制度の改定)」は、ハーズバーグの提唱する「不満足」に関わる要因(衛生要因)だといえます。
つまり、今回のように法対応をする(衛生要因に対応する)ことにより、不満足は解消されるが、満足感やモチベーションが高まるとは限らないという点がポイントです。

■「働き方改革法案の施行」をチャンスに変える

では、どのようにして「満足」を高めていくことができるのでしょうか?

働き方改革の法対応のように「現状の不満を解消していく(衛生要因を満たす)」ことは、社員の基本的にニーズを満たし、安全で快適な職場環境を提供する点において非常に重要です。
国が進める働き方改革もそこに着眼点をおいています。

しかしながら、前述のとおり、それだけでは「満足」を高めることができません

間近に迫った「働き方改革法案の施行」をきっかけとして、「魅力のある職場づくり」=「満足」を高める職場にしていく
このために、企業として「満足」につながる動機付け要因にも働きかけを行い、組織の活性化や組織力の向上を図る必要があります。


動機付け要因は主に仕事の内容に関係しており、具体的には業務内容へのやりがい、仕事での目標達成や結果などの達成感、自己成長実感などが挙げられます。
こうした要因を社員に対して与えることで、動機付けを高め、満足感の向上につなげていきます。

そして、これを実現するために重要な役割を担うのは、管理職です。

■管理職の関わり方が「満足度」に影響する

前述のとおり、管理職の役割が重要となってきます。
特に重要なのは部下の仕事内容について、しっかりと動機付けを行うことです。

具体的には・・・  

  • 部下が達成感を味わえるような仕事を与える
  • 自分に任せられているという実感と責任感を与える
  • その仕事の成果を承認する

などがあげられます。

このように、管理職がどのように部下に関わるかによって、社員の「満足度」に大きく影響するという事実を、管理職は改めて認識をする必要があります。

4月から順次施行される働き方改革関連法案は、魅力ある職場づくりを行い、中小企業の人的課題の解決に繋げることを1つの目的としています。
しかしながら、これまでに記したとおり法対応だけでは、企業としての「魅力ある職場づくりのゴール」だとは、言い難いと分かります。

個々の社員の考え方や価値観、環境といった、多様性の理解と承認が実行され、個々が自律的にモチベーション高く働ける職場が、目指したい魅力ある職場ではないかと考えます。

その第一歩として、社員の動機付けに大きく関わる、管理職の役割を改めて見直してみてはいかがでしょうか?

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