効果的な研修企画のポイント vol.1

2018年02月27日

 

「研修企画をすることになったが、何からしたら良いか分からない…」

「効果的な研修をするための気を付けておきたいポイントは?」

研修企画担当者で、このような方にお悩みの人もいるのではないでしょうか?このコラムでは、研修企画をする上で、担当者が意識しておきたいポイントについてお伝えいたします。

 

■最初に意識しておきたいこと


まず企画担当者としての姿勢として大事にしておきたいことが、「自身で率先して動き研修を企画すること」です。

研修企画では、経営側と現場側とコミュニケーションを取りながら、双方のニーズを把握することが第一歩となります。そのニーズを自ら動き把握していく、そして第三者的視点を持ち、把握したニーズの「本当の問題点」は何なのかを検証していくことが重要となります。「必ずしも経営側や現場側から聞いたことが正しいわけではない…」と、自ら仮説検証をしながら正しいニーズを見極めていきましょう。

合わせて、ニーズが短期的な目的達成のためだけのものとなっていないか?という視点もポイントとなります。人材育成は中長期に行われるものです。企画担当者としては、中長期的な視野を持ち組織に必要な研修ニーズを見定めていく必要があります。

 

■具現化したニーズは研修で解決するのが最適か?


具現化したニーズは必ず研修で解決しなければならないか…決してそういうことではありません。

例えば、若手社員が離職してしまうという問題があったとしましょう。これを解決する手段として”若手社員向けにモチベーションアップ研修を実施する”ことも1つですが、ジョブローテーションを行うことで刺激を与え、新しいチャレンジをする機会を作り出すことで解決を図ることも考えられます。

このように、問題を解決できる手段は採用や配置、処遇などの様々な手段です。よって企画担当者としては、ニーズを整理し視野を広く持ちながら、研修で解決することが最適ということを決めることが必要です。

 

 

■研修の大枠を考える


研修で問題解決を図ることが決まったら、次に明確化したいことが研修の大枠の決定です。その時に留意しておきたいポイントは5つあります。

 

1.対象者の決定・分析

より具体的に対象者を明確にすることが重要となります。対象者が曖昧、または広すぎると、研修の狙いがぶれてしまい効果が下がる可能性があります。”若手社員”ではなく”入社3年目以内でジョブローテーションをしたことがない若手社員”など、詳細に具体化しましょう。また、受講対象者がどんな業務を経験してきたか、どんな知識を持っているかなどの受講者分析を行うことで、より研修の落としどころを明確にすることにつながります。

2.参加単位と人数

「各部署から1名ずつ」や「職場全体で実施」など、参加単位を考えます。この参加単位は、研修効果が広まるプロセスと影響力に関わってきます。例えば、マネージャーを対象に、各部署から1名選出して研修を実施する場合は、受講者の実践次第で研修効果は変わってきますが、職場全体で行う場合は、現場への影響力が強くなるので高い行動変容が期待できます。しかし職場全体での実施となると、受講者全員の業務調整が必要になるなどの新たな課題も発生します。研修効果や業務への影響などを考えて決めることが重要です。

3.期間

”単発型”や”複数回型”など、研修にどれほどの時間をかけるのかを考えます。複数回型であれば、各回の間で課題や現場での実践を行うことで理解浸透を狙うこともできますが、負荷もかかるため見極めが必要になります。現場への負担感を考慮しながら決めていくことが重要です。

4.場所

社内実施・社外実施などの研修を実施する場所について考えます。社内実施は調整がしやすいというメリットがありますが、社外で実施をすることで意図的に通常業務とは切り離し、研修に集中する環境をつくることで研修効果が高めることが期待できます。また、外部研修会社の公開型セミナーなどは、様々な企業間の社員交流・異業種交流による情報交換など、研修内容以外での刺激も期待できます。

5.研修の現場サポート体制

研修効果を高めるためには、現場のサポート体制を構築することが重要です。人材開発の教育評価測定を研究するブリンカーホフは、効果のない研修プログラムの原因分析を行い、研修の失敗要因の実に8割が研修前の職場での準備と研修後の職場実践のサポート体制に起因していると主張しています。よって、研修対象者に対して研修前の動機付けが職場でなされているか、研修内容が実践できる環境が整っているかなど、職場を巻き込む体制があるかを確認する必要があります。

 

■経営陣と現場トップを巻き込む


最後に研修担当者が忘れてはならないのが、”経営陣や現場マネージャーを巻き込んで研修を企画すること”です。これができていないと、「研修企画が進まない」、「現場の協力が得られない」、「研修途中で頓挫する」などの様々な問題が発生します。理解を得るために、「なぜ今、その研修をするのか」、「研修を実施することでどういった効果があるのか」などの情報を自ら発信することが必要です。相手が分かりやすいデータや企画書を作成し、説明をすることも有効です。研修自体が会社全体からのメッセージであるということを受講者に伝える環境を作ることも、研修企画担当者の重要な役割です。

 

いかがでしたでしょうか?次回は、研修内容を決める上で重要となる、研修の目的(ゴール設定)について取り上げてまいります。

 

(参考文献)

・研修開発入門 ー 会社で「教える」、競争優位を「つくる」 中原 淳 著 ダイヤモンド社(2014年3月6日)

 

(文責:人材開発コラム編集部)